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ライバートラストLIVER AGENCY TRUST GUIDE

IRIAMに事務所は必要か|還元率の前提は変わりました【2026年】

IRIAM(イリアム)の事務所は規約上「オーガナイザー」と呼ばれます。2024年12月にダイヤの受け取り方が変わり、所属していても本人に付与される形になりました。還元率という言葉の2つの意味を、公式規約で切り分けます。

最終検証日
2026-08-30
出典
10件
一次情報
IRIAM公式規約3本(会員規約/IRIAMのルール/配信規約)・公式FAQ3本・公式会社概要・IRIAM Agency Awards・DeNA公表資料・公正取引委員会2025-12-09公表資料(いずれも2026-08-30確認)/X口コミ1件(2026-07-04取得)
監修
編集部検証(監修者調整中)

IRIAM(イリアム)は、自分のイラストを動かしてキャラクターの姿で配信できるアプリです。始めるにあたって「事務所には入るべきか」「還元率はどのくらいか」を先に知りたい、という方は多いと思います。

還元率について書かれた記事は数多く見つかります。ただ、そこで語られている「還元率」には2つの意味があり、そのうち一方が前提としてきた仕組みは、IRIAMの規約上すでに変わっています。この記事では公式の規約とFAQで確認できることだけを整理します。

なお公式の規約は配信する人を「配信者」、ヘルプセンターは「ライバー」と呼んでいます。同じ人を指しますが、この記事では引用元の表記に合わせています。

IRIAM(イリアム)とは・運営会社

IRIAMは、公式サイトで「Vライブコミュニケーションアプリ」と説明されています。自分で用意したイラストを動かし、キャラクターの姿で配信できる点が特徴です。

運営は株式会社IRIAM(法人番号3011001133727)。公式の会社概要では、設立は2020年5月1日、所在地は東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア40F、親会社はDeNAと記載されています。代表者名と資本金は会社概要に記載がありません。

DeNAの公表資料によれば、DeNAは2020年8月にIRIAM社へ出資して持分法適用会社とし、2021年7月に株式の追加取得を発表、同年8月1日に取得して100%子会社としています。

会員規約と配信規約は、16歳未満は入会も配信もできないこと、未成年の場合は法定代理人の同意を得ることを定めています。日本国外に在住の方は入会できません。

IRIAMで事務所にあたるのは「オーガナイザー」です

配信規約の第6条は「オーガナイザーへの所属について」という条で、オーガナイザーを「配信者のマネジメント等を行うものとして当社が別途定める『IRIAMオーガナイザー規約』に基づき登録をした者」と定めています。

つまりIRIAMには、配信者向けの規約とは別に、事務所向けの規約が存在します。所属するときは、オーガナイザーと合意したうえでIRIAMの定める手続きを行う、という三者の関係になります。

所属すると何が起きるかも、同じ条に書かれています。

  • 配信者は、IRIAMが利用状況・アカウント情報その他一切の情報(個人情報を含む場合がある)をオーガナイザーに提供することに同意したことになります
  • オーガナイザーと配信者の間、あるいは第三者との間で起きたトラブルについて、**IRIAMは「関知しません」**と明記しています

IRIAMに事務所は必要か

先に結論を書くと、規約上、事務所への所属は必須ではありません。配信規約は、配信者になろうとする人がIRIAMの定める手続きで直接申し込む形を定めており、オーガナイザーへの所属は「希望する場合」の手続きとして別条に置かれています。個人のまま配信できます。

そのうえで正直に書くと、公式は所属のメリットを説明していません。会社の公式ページにも、事務所を表彰するAgency Awardsのページにも、所属した場合の待遇や条件についての記載はありません。規約から確認できるのは、前の節に挙げた「所属すると何が起きるか」だけです。

ですから判断材料は、事務所側の説明とその根拠に絞られます。サポートの手厚さや案件の紹介といった価値は実在しうるものですが、それが契約書のどこに書かれているのかを確かめないと、あとから確認する手立てがありません。

2024年12月に、報酬の受け取り方が変わりました

ここが、還元率の話を読むうえでいちばん大事な点です。

配信規約の第6条2項は、「オーガナイザー、配信者及び当社において別途合意した場合を除き」という留保のうえで、オーガナイザーに所属した場合「ダイヤの付与はオーガナイザーに対して行われ、当該ダイヤ相当額がオーガナイザーに対して支払われます」と定めています。事務所にまとめて入る形です。

ところが同じ条の5項が、これを上書きしています。2024年12月1日以降の配信におけるダイヤについては2項を適用せず、「当該ダイヤの付与は配信者に対して行われ」ると定められています。5項には2項のような留保が置かれていないため、現在はオーガナイザーに所属していてもダイヤは配信者本人に付与される形になっています。

2項だけを読んで止めると、逆の理解になる条文の並びです。

だから「還元率◯%」は、何の話かを確かめてください

「還元率」という言葉は、2つの意味で使われています。

ひとつは、事務所にまとめて入った金額から配信者にいくら戻るかという意味です。これは第6条2項が前提としていた仕組みで、5項によって上書きされています。現在の規約どおりであれば、この意味での還元率はIRIAMの仕組みとしては発生しません。それでも数字が示される場合、2024年11月以前を前提にした古い情報か、IRIAMの規約の外にある事務所との個別契約の取り決めのどちらかです。後者はありえます。配信規約が定めているのはIRIAMと配信者の関係であって、事務所と配信者がどのような契約を結ぶかまでは決めていないためです。

もうひとつは、リスナーが使ったギフトの金額に対して、どれだけのダイヤになるかという意味です。こちらは制度変更の影響を受けず、今も存在します。 そして次の節に書くとおり、その計算基準は公開されていません。

報酬の仕組み — 公式が示しているのは「1ダイヤ=1円」

公式FAQによれば、収益化の承認を受けたライバーは、活動実績とIRIAMが独自に定める評価基準に基づいたダイヤを受け取れるようになり、「1ダイヤ=1円」としてポイントに交換したり換金したりできます。ダイヤには「応援ダイヤ」と「時間ダイヤ」の2種類があります。

  • 応援ダイヤ — 視聴するリスナーが使用したギフト、スター、コメントを含む活動実績と、その他IRIAMが独自に定める評価基準に基づいて計算されます
  • 時間ダイヤ — コミュニティランクと1日の配信時間によって付与量が決まります

付与は毎日、前日分がまとめて行われます。獲得数はマイページのライバーレポートで確認できますが、収益化が承認されていないとダイヤ数は表示されません。

「1ダイヤ=1円」は換金するときのレートです。ギフトからダイヤへの計算については、公式FAQは「その他当社が独自に定める評価基準に基づき計算され」と書くにとどめており、その基準の中身は公開されていません。前の節で挙げた2つ目の意味の還元率が確かめられないのは、このためです。

アプリ内での事務所の勧誘は、どう扱われているか

IRIAMは事務所(オーガナイザー)と契約する仕組みを持っていますが、アプリ内での勧誘については規約とFAQで扱いが分かれています。

公式FAQ「営利目的でのご利用やその他勧誘行為について」は、禁止行為の例として次を挙げています。

  • 事務所への勧誘行為
  • 企業への求人や募集行為
  • IRIAMで許可されていないお店への勧誘行為
  • 「〇〇に入金してね」等の金銭のやり取りが疑われる行為
  • 電子マネーの送金先のQRコードやURL、ID等を掲載する行為

一方で、会員規約に基づく個別規約「IRIAMのルール」の同じ趣旨の節には、行為ごとの但し書きがあります。商業用の広告・宣伝を目的とする情報の送信も、商品・権利・サービスの売買等も、いずれも「ただし、当社が公認したものを除く」とされています。勧誘については別に「本サービスで許可されていない団体への勧誘」という書き方です。

なお、勧誘はアプリの外でも起きます。

実際の声 — X(旧Twitter)の投稿より(2026年7月確認)

ライバーらしい名前でIRIAMをこれから始めると書いてフォローしてきたアカウントが、しばらく経ってから事務所のスカウトを名乗ってDMを送ってきた——という趣旨の投稿。最初から勧誘が目的だったと気づきにくい点に不安を感じる声です。

これはX上での出来事で、IRIAMのアプリ内の話ではありません。アプリの規約が及ぶのはアプリの中までである、という点は押さえておいてください。手口の類型は怪しいライバー事務所・スカウトDMの見分け方で整理しています。

事務所に所属すると、退会も事務所を通します

公式FAQの「IRIAMの退会方法」には、退会するとポイントやダイヤを含むこれまでのデータがすべて削除され、復旧できないと書かれています。そのうえで、事務所に所属しているライバーについては、この方法で退会は行わず各事務所まで問い合わせてほしい、という但し書きが付いています。

退会の手続きを自分だけで完結できず、事務所を経由することになるということです。辞めるときの手続きが相手方を通る契約では、退所の進めやすさが事務所によって変わります。

なお配信規約の第7条は、配信者が規約に違反した場合、IRIAMが支払うべき代金を違約金として差し引くことができると定めています。これは事務所との契約にある違約金とは別のものです。

契約と退所については、ライバー事務所を辞めたい・移籍したい人へで、違約金や退所後の制限の考え方を整理しています。

IRIAM公式が表彰した事務所(2026年上半期)

IRIAM公式の「IRIAM Agency Awards」は、「株式会社IRIAMと契約を締結し、ライバー事務所を運営する企業」のうち、部門ごとに優秀な成績を収めた3社を年2回(7月・1月)表彰する制度です。2026年上半期の受賞企業として、次の社名が掲載されています。

区分1位2位3位
Top Agency Award株式会社BET株式会社Epi Group株式会社cozoru
Growth Award株式会社ENILIS株式会社Epi Group株式会社321
Sales & Marketing Award株式会社Epi Group株式会社Mission Timeクラシル株式会社
Event Award株式会社ネオディライトインターナショナル株式会社BET株式会社321

これはIRIAM対応事務所の一覧ではありません。 各部門の上位3社であり、半期ごとに入れ替わります。所属メリットや条件、報酬の割合について、このページに記載はありません。編集部が比較した事務所のなかにも、ここに載っていないIRIAM対応の事務所があります(比較データベース)。

始める前に確認したいこと

事務所と話をする前に、次の点を手元で整理しておくと判断がぶれにくくなります。

  • 提示された還元率が、事務所からの分配率の話か、ギフトからダイヤへの交換率の話か
  • その数字の根拠が、IRIAMの資料か、その事務所の実績か、伝聞か
  • 契約期間と、途中で辞めるときの手続き(退会が事務所経由になる点をふまえて)
  • 退所後に活動を制限する条項の有無
  • ノルマや配信時間の目標が、契約書に書かれているか口頭かの別
  • ダイヤの180日の有効期限と、退会時に未使用分が消滅することを誰がどう管理するのか

比較の観点をひととおり見ておきたい方は、ライバー事務所おすすめの選び方比較データベースをご覧ください。

まとめと、次に読みたいページ

IRIAMは大手の傘下で運営されているアプリで、事務所は規約上「オーガナイザー」として位置づけられています。所属は必須ではありません。報酬の受け取り方は2024年12月に変わっており、事務所からの分配率という意味での還元率は、規約上はすでに前提が失われています。一方で、ギフトからダイヤへの交換率という意味での還元率は、今も公開されていません。

数字を疑うのではなく、その数字がどちらの話で、根拠がどこにあるのかを聞く。この分野ではそれが判断の分かれ目になります。